Clanfolk ~ 紹介編

Clanfolkの紹介をしようと思う。

このゲームはサバイバルシティビルダーの流れを汲む見下ろし型の2Dストラテジーゲームである。

 

どんなゲームか

サバイバルシティビルダーの名の通り、住人に指示を出して生き抜くことを目指すゲームである。

ほぼ何も持たずに始まった数人の住人に様々な指示を出しながらクラフト要素をアンロックしていき、石ツールから金属製ツールへ生活水準をアップグレードさせ、衣食住をどんどん発展させていくのが大きな目標となる。

最大のポイントはタイトルにある通り「クラン」と呼ばれる一族の共同体を絶えさせることなく世代交代させながら継続させて運営していくのがポイントになる。

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ちなみに現在は早期アクセスであるため本稿の内容がそのまま正式リリースになるかは不明です。

導入部分

1300年代のスコットランド地方を舞台にしたコロニーライフシム。周囲の環境を出来る限り利用して農業・鉱業・サービス業・交易などを行い一族を絶えさせることなく繁栄させ続ける。

世代交代に従って様々な設備・家具が必要になる。赤ちゃん用のゆりかごから天寿を全うした者を埋葬するための墓など幅広く存在する。

ゲームシステム

自然を相手にガチサバイバルをするような内容です。システムもそれに準拠しています。

マップ生成

固定ではなくシード依存+各環境の乱数微調整ありで行うランダム生成不マップです。

現在は以下の5つの環境がマップ内にランダム分布で生成されます。

  • 湖:釣りなどが可能かつ飲み水や洗い場として利用可能な水源
    • 魚などの水産資源は時間とともに回復するが取りすぎると枯渇する
    • 水辺には藁として使える葦が生えていて粘土も採取できる
  • 草原:木は少ないが豊富な草資源と野草、野生の穀物が生えている
    • 施肥することで優秀な農耕地になる
  • 山:ツルハシで採石する他に内部に穴を掘って住居代わりにすることもでき、鉱物資源を含む鉱脈が内部にあることもある
  • 森:野生動物に富み、鹿やウサギなどの狩猟に適した環境
  • 泥炭地:泥炭を豊富に含む湿地で泥鉄鉱という鉄鉱資源も生産される

技術ツリーによる技術発展システム

技術ツリーによって次々にアンロックされて行く。技術ツリーにはアンロック条件があらかじめ設定されていて、既にアンロックされて判明している要素でであればより高度な技術に何が足りていないのかある程度分かるようになっている(アンロックされるまではその技術がどういう名前でどういう内容なのかは分からない)。例えばベリーの採取を一定数行うことで「食料置き場」が、石の採取と枝の採取を行うことで「石の鎌」がアンロックされ、種子を含む牧草を刈ることで牧草の種を脱穀するための「脱穀場」など結構細かく分かれている。

枝と石を得たら石製のツールがすぐ全てアンロックされるというわけでもなく、それなりに段階を踏む構成となっている。

コロニーシム要素

仕事の優先度を住人ごとに設定できる。

採取や調理など結構細かく分かれている。

素材採取ひとつとっても「ベリーや枝を集める」「ツルハシで採石」「鎌で植物を刈り集める」「斧を使用して伐採」「狩猟道具を使って狩猟」などカテゴリによって分かれている。

このカテゴリごとに優先度を住人1人ずつどれをどのくらい優先するのか割り当てていく。基本的には最優先のタスクになるカテゴリは被らないようにして分業し、今必要でないタスクのカテゴリは優先度を下げるという設定の仕方がセオリー。

うまいことは丸と面白いがなかなか住人が思い通りに仕事してくれないことが多い。このもどかしさを楽しむ部分だろう。

建築に関しては施設は作業台的なものを建てる他は自由に壁や天井を設計して建築する。正方形グリッドで管理されているため壁で囲んだ空間を用意して屋根を付けてドアを付けて窓をつければ室内空間が完成する。この室内空間は山の中を掘削して山の中に空間を作ることも可能。

人以外にも家畜とペットとなる動物がいて一緒に住むことができる。

家畜

家畜は育てて絞めて肉を得る以外にも羊の羊毛や山羊のミルクなど副産物として様々なものを提供する。家畜の餌は干し草のほか、脱穀前のオーツ麦の束と脱穀前の亜麻の束を食べる。オーツ麦や亜麻は他に用途があるため最終手段として残しておく。家畜は屋外の草が乏しくなる冬に干し草が無くなると他の食べ物を食べ始めるので干し草を十分に用意すれば問題ない。

家畜には家畜用の寝床が必要で、室内判定になっていて暗くない場所に寝床を置くと空いている寝床から順番に埋めていくようにして落ち着く。寝床を用意していない間は繁殖もしないので殖やす意味でも早めに用意したい。

多くなったら間引いて食料にしたり商人に売ってお金にする。

ペット:犬と猫

ペットは犬と猫が居る。

犬は猟犬役になったり牧羊犬のように家畜を外敵から守るためのガーディアンとして機能する。犬種は10~14世紀ごろにスコットランドの貴族に鹿狩り用途として飼われていたディアハウンド。犬はかなり強く、家畜を狙う肉食動物が単独で近づくと素早く接近して仕留める。狩猟の際も一度狙った獲物に何度も襲い掛かり人が弓を打つよりも早く仕留められる。ウサギ程度ならひと噛みで仕留められるので狩猟に不慣れな人に同行させても安心。

猫は台所事情をネズミから守る。穀物や肉類などを狙ってネズミが屋内に侵入してくることがある。冬であれば家畜小屋に入り込んで大事な家畜の餌を食い荒らす。ネズミ捕りの罠もあるが万能ではないので猫が居れば室内に侵入したネズミを発見次第駆除する。外にいるネズミを発見すると追い払ったりその場で駆除してくれる。

サバイバル要素:食料と水

飢えと渇きが住人・ペット・家畜にそれぞれ設定されていて足りなければ遠からず死ぬ。住人は朝晩2食食べるのが基本。

この手のゲームでは最初から農業をして秋に収穫していい感じに食料を得て寒さ対策しとけばなんとかなるだろうというパターンが多い。だがこのゲームでは基本的に農業までが果てしなく遠く感じるだろう。

ひたすら狩猟(狩りと魚釣り)と採取(ベリーやキノコ)で食料を集め、調理して住人の腹を満たすだけでもそれなりに苦労をする。雨が降れば野外で調理する焚火のような簡易調理施設は稼働できないので屋根付きの場所で調理するなど工夫が必要。

食料は劣化して遠からず腐って食べられなくなる。せっかく狩猟に成功して沢山の生肉を得ても食べきる前に腐ってしまうし、雨が降っていることもあるので野ざらしのまま雨に濡れた食料はすぐに傷んでしまう。

水は腐らないので安心していいが生水をそのまま飲むとお腹を壊すかもというテキストがあるのが若干怖い。低確率で体調不良になるのかもしれない。

保存する場所に配慮してさらに日持ちする食料に加工して冬に備えるということがセオリーになる。

サバイバル要素

このゲーム最大の敵は環境である。四季があり天候があり昼夜の温度変化と明るさの変化がある。体調不良や風邪の初期症状で弱った住人には栄養があるものを食べさせて労働を休ませないと割と簡単に悪化して死ぬ。ため注意するポイントは多い。

昼夜の変化

昼夜によって住人の生活サイクルは決まっている。一応日の長さは年間を通じて大きく変動しないようになっている模様。

日の出とともに起床し、食事や排せつをして労働を行う。日没が近づくにつれて労働を終えて食事を取る。一日の終わりに娯楽を楽しんだり談笑をして寝床に入る。

暗い場所は労働効率が悪くなるうえ、人によっては暗所恐怖症の性質を持っていたりする。

気温に関しては基本的に昼は暖かくなり朝晩は気温が低い。昼は暖かくても朝晩は寒い秋や春先は気温に気を使う。

四季の変化

四季には特徴があるが、1年を通じて気温は緩やかに上がったり下がったりして変動する。冬は終わりに差し掛かれば春に向けて気温が上がって来るし、夏から秋にかけてらどんどん気温が下がり雪がちらつき始める頃に冬に突入する。

冬は平気でマイナス15度~20度くらいまで下がる。寒いままでは体調不良者が続出してほぼ全滅するので寒さが本格的になる秋の終わりまでに越冬の準備を整えなければならない。

また秋の終わりから冬の終わりにかけて野生動物として狼が出現する。狼は他の野生動物以外に家畜を襲う肉食動物であり、餌を求めて移動し続けるので何も対処しないままやり過ごすということは難しい。遠いように見えても夜の間ずっと移動し続けて朝方に家畜が襲われるということも普通にある。

住人の住処に近づいてきたらこちらから出て狩猟し追い払うなど対処が必要。

四季と農業の関り

作物や植物の栽培には適した季節があるため好き勝手に植えることはできない。種を取っておくことになるが適当な扱いでは雨に濡れて傷んでしまうし、保管方法が良くても対策をしない状態ではネズミの被害に遭ってしまい春になったら作物の種が全滅していたなんてこともある。

ライフシム要素:クランの繫栄と世代交代

住人には配偶者を用意できる。ペットや家畜もまた繁殖で増える。配偶者がいる住人は子供を産み育てることで次の世代の担い手に出来る。

独身者は外部から来た人とムードが良くなると外部の人が自分のクランの一員になってくれる。これにより結婚し次代へ繋ぐ。

外部からの住人

何もしないままだとクラン内で子供が生まれない限り人が増えることはない。各種掲示ボードを建築しておくことで外部から人を呼び込める。

  • 交易ボード
    • 数日おきに行商人がやって来て売り買いが出来るが商人が望んでいるものしか買い取ってくれず商人によって何を望んでいるか傾向がある
    • 最初からいなかった家畜やペットは行商人から買うことで手に入れる
    • 金銭のやり取りを沢山行うことでクランの評判が上がる
  • 宿泊ボード
    • 空いているベッドを宿という形で提供してお金を得る
    • 夕食、就寝用ベッド、朝食を提供することになるので食料不足に注意
    • 得られる金額は満足度によって変動する
    • 満足度が高いともう1泊することもある
  • 求職ボード
    • 求職者がやって来て雇用するかどうか選べる
    • 雇用は日雇い計算でお金が必要なので交易か宿泊業でお金をためておく
    • 外で野宿などさせていると不満を抱いて即座に去るうえ、クランの評判も下がる
    • お金が不足していると去る
    • 手動で雇用中の住人を解雇することも可能
    • 不満を抱かせないように良い環境を与えるとクランの評判が上がっていく
    • クラン内の異性と結婚してクランの一員になることがある

上記3つのうち最も重要なものは求職ボードになる。人手不足をお金で解決できるうえ結婚と出産で人口を増やすことが可能。複数人を雇用してマンパワーで押し、ひと段落着いたら一斉解雇ということも戦略として可能。目的は自分のクランの繁栄であって他クランのご機嫌取りは二の次にする場合もある。

建築要素

割と凝っている。建物丸ごとを場所指定して1軒ごとにどんと建てるようなタイプではない。壁を建てる場所を指定し壁で囲った部分を屋根で覆い、明かりが取れるように窓を作る。完全な室内にするためには出入りするための扉も必要。

壁・屋根・床の材質もバリエーションがあり、煉瓦の壁や石畳の床、木製の壁でも枝や板だったり丸太の壁だったりいろいろある。

屋根の形は決められないが、壁の形状は自分で壁を設置する場所を選べるので四角い部屋でもいいしカギ型の部屋を作ってもいい。基本的にグリッド形状に縛られていて見下ろしがたの2Dなので2階建てにはできない。

建物の建築の他に以下の2種類がある。

  • 物品置き場
    • 住人による建築作業は必要なく、食品や道具などカテゴリごとに分けて物品を置くスペースを指定できる
    • 優先度とカテゴリ内での置き場所利用の許可不許可の指定があるので特定のアイテムだけを許可して他は不許可にすることで濡れてはいけない物だけ屋根付きの場所に退避するなどが可能。
  • 作業場
    • 建築作業が必要で各種作業台や資源採取場がこれにあたる
    • 炊事を行う焚き火や鍛冶場などは火花を散らすので可燃物が周囲にあると燃え移る可能性がある

おわりに

慣れないうちは最初の冬を乗り越えられずに何人か死んでしまったり家畜が全滅するなど悔しい思いをすることがあるかもしれない。

それでも忍耐と試練を乗り越えた先に訪れる春は達成感が強く得られる。世代交代のペースが結構早いため思い入れのある住人を何十年も見守るといったことはできないが、やりごたえ十分のゲームであると思う。